2004年の秋から輸出や生産が弱含みで推移したが、
2005年央には再び持ち直し、景気は引き続き回復している。
雇用情勢は、完全失業率が2005年6月には4.2％まで低下した。
新規求人や有効求人倍率の緩やかな上昇傾向が続いている。
景気回復が持続し雇用情勢が改善するに伴って、
雇用の増加や賃金の改善がみられるが、
従来のように成果が労働者に一律に配分される、という姿は
次第に変わってきている。
パート、アルバイト、派遣労働者、契約社員、嘱託社員など、
様々な名称をもった非正規雇用が増加し、
就業形態は多様化するとともに、
雇用に占める正規雇用の割合は低下傾向にある。
景気回復に伴い新規学卒者の就職率は上昇に転じ、
若年失業やフリーターは減少しているが、
派遣労働者が増加するなど若年層においても
非正規雇用割合は引き続き上昇している。
バブル崩壊以降、採用抑制が厳しかった時代に
非正規雇用に就いた若年者にとっては、
正規雇用への移行は依然として難しい状況にある。
パートやアルバイトの仕事を繰り返しながら
不安定就業を続けている者や無業者になってしまう者も多く
こうした人々の年齢層も次第に上がっている。
「年長フリーター」には滞留傾向がみられ、
就業意欲に欠ける、いわゆるニートの数も近年高止まりしている。
また、仕事に就けたとしても、
仕事の種類によって、身につけることができる職業能力にも
大きな格差が生じている。
（平成18年版労働経済白書より）
第一幕 ある漫画喫茶のスタッフルーム
舞台奥にモップが立てかけてある。
男優１ 第一幕から始めます、......加藤くんっていう人が、地下鉄にこの前、京王新線ですけど乗ってて、そのとき遭遇した、隣に座って、......女の人ふたりが話してたんですけど、......盗み聞きしてるつもりは当初まったく加藤くんはなかったんですけど、聞いてたら正直、......結果的に途中から、完全にわりと盗み聞きというなかば形にはなったんですけど、......でも携帯のメールだと隣の人の画面も隣の人に画面見えないような防止のスクリーン貼るじゃないですか、そういうのが声はないから、ちょっとしょうがないんじゃないかな、ていう全然今の言い訳ですけど、......でもその会話の、どうちょっと考えても声は、標準の大きさをそのときお前ら楽々クリアしすぎだろいくらなんでも、ていう感じだったというのは、......内容自体もしかも、興味をこう、
男優１ ......でも、いいです、その話は、まああとでするんで今はおいといて、その電車乗る前に駅のトイレ入ったときにあった、その話のほうしなきゃ、しなきゃってこともないんですけど、是非していい？
男優１ ていうか、そのトイレっていうのは、当然男のですけど、ちっちゃいほうのとおっきいほうのとある、俺はそのときはちっちゃいのを、......ちっちゃいのを、ちっちゃいのエリアは、ちっちゃいのをこうするところが壁沿いに列にダーってなってるじゃないですか、そのときはそんなに混んでなかったんですけど、ていうか俺だけだったんだけど、足してて用、そのダーっていう壁沿いの列の位置的に真ん中へんで、......そしたら背中の、向こう側にね、その駅のトイレは、女子のほうがどうなってるかは当然ながら知らないわけだけど、男のほうはおっきい用の個室がこう並んでる列がちっちゃい用の列と別エリアに、ちっちゃいエリアの列がこうなってるとしたらそれと直角の感じでおっきいエリアの個室の並びがこうなってるわけで、そこに一人入っててね、入ってても全然いいんだけど、......その人が出てきたんだけど、出てきても全然いいんだけど、そっからジャーって言って出てきて、......その人がジャーって口で言ってたわけじゃないんだけど、水ジャーって流してから出てきて、そしたらすごい、......普通の感覚として「あ、この人そのまま手ェ洗って出てくのかなあ」て思うわけなんだよね、え、違う？ ......そしたらすごい、ここから先が超謎の行動その人とったんだけど、......俺の、なんでだか便器の、隣の便器のとこ来て、そこでいきなり、ちっちゃいの、チャーってしはじめたんですよ、
男優２ あ、そっかそっか、
男優２は包装された煙草のカートンを手にしている。
男優２ ......それでそのとき加藤くんは、要するにそのコンソールというか個室から出てきたやつに、「え、じゃあお前今あの中でしてくればよかったじゃんちっちゃいのも一緒に」って思ったんだよね、
男優１ この人（男優２のこと）川上くんというんですけど、......一見したところ加藤くんの今の話の、オチの部分に対しての特に反応が、鈍げに見えたかもしれないと思うんですけど、
男優２ でも違うんですよそれは、実は、川上くんこのとき、「え、でも、俺もたまにそういうこと、そういうことっていうのは、コンソール出てから『あ、やっぱり出しておきたいかももう少し、ちっちゃいのも』て思い直してたまにそういうことすることあるけど」て思ってて、ていうことに気ィかなり、いろんな、身におぼえが自分の記憶の中の、ぐりぐりって、今の話に関連する、エピソード関連を、思い返してたら、取られちゃって、そのせいでリアクション薄くなっちゃった面があって、
男優２ 正直、え、そういうこと、やったこと一回もない？ 俺さ、あるよ、て川上くんは思って、
男優２ ......そうそう、......おぼえてるだけでも、一、二、三、四、ただしどうしてそのときそんなことしたのか、たぶん、今、説得力ある答えを、そこんとこどうなのよ、みたいな問いつめられ方もしされちゃうと、細かい当時の状況のディテールとかいちいちもう、忘れちゃってるし、
男優１ ううん、全然ね、それはいいよ、
男優２ うまく説明で納得させることは、求められても、もし、できないと思うんだけど、
男優１ 分かりますって感じです、......そういうことあるよね、......そういうことあるよね、ってわけでもないけど、......え、でもそういうことしたこと、川上くん何度もあるんだ？
男優２ ていうか、何度もって言われると語弊があれなんだけど、駅のトイレ別に毎日ね、入ってるわけじゃそんなに、ないから、
男優１ でも、そういうこと実際したことある人が、やーそうか、意外に近くにいましたってことか、......どういう、え、でも、状況のときに、そういうことになるシチュエーションが、......それじゃあ、発生するのは、具体的に、......たとえば一回もう流しちゃったあとで、「あ、実はしたかった俺自身に気付いた、しかもたった今」みたいなことがあって、とかいうことなの？ ってこれ単にただ疑問として聞くだけなんだけど、
男優２ ......そうそう、......ていうか、微妙な要素でいえば、いろんな力関係とかの、その場その場の、......状況の関係性みたいなことだったりするなあって面もあって、......たとえば時間とかの場合、基本的に、駅にいるって、急いでる、っていう基本的な前提があるじゃないですか、ってこともたとえば関わってくる可能性あるだろうし、そういうものがいろいろ結集して、そういうことに、......そうそう、......なるみたいなのは、でもすごく微妙で、一概にあんまり論理論理っていう面も、
男優１ あーはいはい、
男優２ ないわけじゃないにしろ、......そうそう、......でもそれだけで分かろうとするっていう、割り切りみたいなものだとしたら、割り切った瞬間にそういう場合、必ずどこかに「あーソレでもなんかちょっと違うんだよなーどこかなー」ていう切り口が、......そうそう、......残っちゃってみたいのが、しょうがない面はあるんだけど、もったいない、みたいなところがね、あるでしょ、......でもそういう逆にほころびみたいのを残さないでやる、完全犯罪、みたいのはそれはそれで逆に相当難しいと思うから、
男優１ ......ていう、なんか二人で何話してるのかだんだん分からなくなってきた話題で盛り上がってたときに、......今見てもらってて分かってると思うんですけど、女の子が一人入ってくるわけなんですけど、入ってきたわけなんですけど、別に入ってくるのは全然「お前何入ってきてんだよ」みたいなことじゃなくて、入ってきて全然いいんですけど、
男優１ ......ていうのはどうしてかという、事情を、つまりここはどこかというと、......新宿の、西口のほうのというか、南口のほうのというか、甲州街道があると思うんですけど、その一本内側に入る感じのところなんだけど、にある、ここの新国とかからでもたとえば、歩いてもそんなに、僕らくらいの普通に足だったらスタスタだいたい十五分くらいで全然行けるところにマンキツがあるんですけど、......新国からだと逆か、こっち側ですけど、......マンキツと言っても建物全体一階から三階までは全部カラオケになってる建物の、四階と五階だけがマンキツになってる建物に、入ってるマンキツなんですけど、そこに加藤くんも川上くんも、そしてこの女の子は小川さんっていうんですけど、......みんなバイトなんですけど、その休憩室みたいな更衣室も一応兼みたいな、中から鍵も、だからかけれるんですけど、そういう通称スタッフルームっていうここは部屋なんですけど、にこのとき小川さん入ってきただけなので、......権利は小川さんも当然、小川さんまだここに入ってきたのが最近でいうと一番新しめの、一週間前くらいに入ってきたばっかりの人なんですけど、まあでもそれは全然、普通に、入ってきてよくて、ていうこととは関係ないんですけど、
男優２ ただしここで、ちょっと小川さんにまつわる話っていうのがあって、ていうかこのとき休憩時間がたまたま、今小川さんちょうど入ってきたっていうのもあって、ちょうどいい機会だから、......そうそう、......思い切ってちょっと聞いてみようかな今、て思ってるんだけど、ていうことがあって、
女優１ えーそれって水野さんのことでですか？
男優２ ......ていうか、小川さんのことに関してなら、今僕ら正直な話いくらでも盛り上がれちゃうぞっていういつでもスタンバイはできててっていう状態でさあ、......ていうか、水野氏との、......そうそう、......どうしてかっていうと、何があったかっていうと、......水野氏との、そうそう、こと、......あー今思いっきり、ぴしゃん、先手打たれちゃったね、
男優２ ......ていう、まず小川さんは何と言ってもですね、今年の春大学卒業したまだばっかりの、二十二歳、ていう年齢が、ダイレクトな言い方すると若いぞってことですよね、ただし我々別にそのピチピチ性に単純に盛り上がってるわけじゃなくて、......大事なのはそこ以外の点であってですね、......そこもまあ、とはいえ、ポイントとして、単純に盛り上がってる面であるという点は、もちろん種の保存の、男ですので誰にでもある、それが僕らにもある面は、正直、ここで認めておくべきだと、思うとこに関しては、男ですので、男ですのでというか、認めた一応うえで、フェアに話を続けると、......実はなんですけど、僕と加藤くんと、あとプラスもう一人バイトの中で歳が同じでまあまあ仲がいいっていう、さっき一瞬小川さんの口から名前が出ましたけど水野くんっていうのがいて、水野氏が、......それであれなんだよね、小川さんに対して我々が、単に若いよねーってことだけで別に盛り上がってるわけじゃないんですよっていうのは、ほとんどこれ、......まあ、犯罪、てこともないんだけど、逆に快挙っていうか、小川さん、なんとその水野氏とよりによってね、ていうね、だから、
男優２ ......え、小川さんって水野氏からなんかそういう、はっきり言うと水野氏にまあ、「付き合って」的なこと言われてそれでオッケーってことにしたのって、え、オッケーしたんでしょ、え、ねーオッケーしたのって、その決断みたいのって、もしかして意外と速攻だった、みたいな感じだったのかな？ 実際の状況として、つまり、意外とそれっぽいこと水野氏から言われたんだと思うんだけど、
女優１ えー、はい、
男優２ そのときにわりと比較的瞬間的に即決って感じだったの？ てことなんだけど、
女優１ えー、でも別にそんな、えー、なんでそういう、えー今の川上さんの言い方だとすごい、今なんか噂的にそういうことになってるんですかね？ っていう感じがしちゃったんですけど、どうなんですか、えー、なんかそういうことになってるんですか？
男優２ あ、でもそれはね、全然たぶん実は大丈夫で、
女優１ ていうか水野さんのほうから？ だけ？ 一方的にだったわけではないですよ、ってなんか、えー、のろけた結果的に今なっちゃいましたか？ ってふと思ったんですけど、えーどうしよう、まあいいんですけど、
男優２ ていうか全然それは、......そうそう、......たぶん今心配しなくてまったく大丈夫と思うっていうのは、小川さんと水野氏のことに関して、僕と加藤くんの中でははっきり言って相当盛り上がってるんだけど、でもそれは逆に言うと、盛り上がってるのはウチらの中でだけっていう面もあるかな、ていう感じで、
女優１ えー、川上さんがそういう言い方するのって、なんかこのとき私が思ったのが、バイトの中で、水野さんサイドから一方通行的に来たみたいに噂とかが、えーでもなんでそういうことに？ なってるのか？ 全然分かんないんですけど、噂とかだともうそういうことにあれなんですか？ って思って、ていうか、噂って、えー勝手だなあ、えー、どんだけ盛り上がってるんですか人のことで？ て全然私、実際分かんないんですけど見てみないとそういう、えー、ヘンな盛り上がるネタみたいなことに、店のスタッフ内でもしかしてなってるんですか、それはえー微妙だなー、えーなんだろー、て感じだなあ、まあいいんですけど、
女優１ ......て小川さん思ってたんですけど、でも実際は別にそんな、全然盛り上がってないらしいってことで、じゃあ、まあそんなに盛り上がってない感じだったら、今思ったようなことは実際には全然ないってことですよね、
男優２ つまりそんなに、......そうそう、......ヘンになんか、お祭りぽくとかなってかないと思うので安心して、安心してって言い方は、今の小川さん的には、ヘンに盛り上がられたくないとか、盛り上がってるわけじゃないならホッ、みたく安心したいわけじゃ、見るからにない、むしろ逆なのは薄々見て取れるんだけど、でも、......そうそう、......安心して、てサイドからのことしかこっちとしては言えないから、そういう言い方にどうしてもなっちゃうけど、
女優１ 一概に、盛り上がられたくないのかっていうか、えー、でもなー、何に対して盛り上がられたいかっていうのは選べるんだったら選びたいっていう気持ちは、って選べなくて普通なんですけど、結構ポイントかもー、......でも、えーこれ私のズレかな？ なんか必要以上に歳の差的なところに、......なんか、えーそこまで盛り上がりのポイントそこに集中する？ のはちょっとなー、ていうか第一そんな歳の差ってほど別に、大したことないと思うんですけど、て思ってるの私だけ？ ていうかうちらだけですかね？ まあいいんですけど、
男優１ 全然、僕らその点に関して言うと、水野氏含めて我々トリオ扱いの三人、正直それ以外のスタッフ、バイト、社員さん含めて、社員さんも半分以上全然二十代だから、うーん、こういう断定は卑屈すぎかと思う面もありつつ、......やっぱりそういうバイト全体感から、と僕ら三人と、......かなり僕ら三人だけ三十代突入トリオってことで、あいつらおっさんトリオ的なレッテル貼られてるよなあ、ていう、直接的に言われるわけではないにしろ、微妙にしかし感じつつ、まあしかしそれでもここで、バイトして、日々つないで、かなきゃいけない部分あるわけで、しょんっ、......ていう雰囲気、わかるでしょ？ だって小川さん水野氏ともうそういうアレなんだし、......ていうかバイトここで一週間もいたら、そういう雰囲気ウチの店に存在しているのは普通に分かるよね、ていう理解でこっちはいていいでしょ？
男優１ そう、割とだから、向こうサイドの本当の雰囲気がどうかってのは、実はこっちサイドとしては全然わかってなかったりもするんだけど、っていう話も水野氏から聞いてない？ 聞いてなくても小川さん、実は察してたりしてないの？ ていう面、実はあるでしょ？
女優１ えー、......でもこれ別にかっこつけてるとかじゃほんとなくて、そういうあとなんか、こういう（「世間体とたたかう」みたいな）ことでも全然なくて、......えー、歳の差ってそんなですか？
男優２ ていうか、歳の差っていうかは、や、どっちかっていうと我々の問題だよね、みたいな、我々の問題っていうか我々が水野氏含めて、どういうここで立場に、いつのまにかなり、そして今あるか、みたいな話があってさ、てこういう話小川さんにするべきじゃないんじゃないかもしかして？ みたいな、......そうそう、......だから小川さん最初さ、ていうか今日もだけど、ていうか今まさにそうなわけだけど、我々がスタッフルームいるとき普通に中入ってくるの、小川さんくらいだよ、あとみんなたぶん、我々ここいるときは、外のコンビニとかわざわざ行ってんだよね、
男優２ 新宿のここど真ん中の割に、案外コンビニ遠くに行かないとないんですけど、大変それはめんどくさいと思うんですが、......にもかかわらず行ってるという、だから逆に言うとそれだけあれなんだろうね、だから小川さんってそういうわけでほとんど我々からすると、宗教じゃないけどマリアさまとか、実際、分かんないけどそういうレベルだよね、案外これ誇張じゃない気がするのは、どうだろう、......そうそう、あと、インドの人で、かつインド人じゃない女の、なんだっけ、もう死んじゃった人、
男優１ 他のここの人たちは、俺たちいると普通に入って来ない、自然にもうそういう文化、形成されてるから、......だから我々、......小川さんは、でも、入ってくるでしょ、最初のうちまだ水野氏とのこと全然知らなかったから、ていうか実際なんでもない時期も当然あったと思うんだけど、ていううちは、あーこれって小川さんってまだウチのその辺の文化的ニュアンス掴みきれてない新人ならではの味って感じで、いいよねえ、癒されるよねえって話してたり、してたんだよね、それこそ水野氏含めて三人で、
男優２ 小川さんって、......そうそう、......我々にとってはだから一見見た目の印象よりも、そういう意味で、実は癒し系？ ナース系？ ていう話で盛り上がってたんだよね、......まあ結局、他の誰にとってよりも、今やそのナイチンゲール性を、水野氏にとっての、......そうそう、......特別な、あなたのナースみたいな、ことに落ち着いたというね、ことなわけだけれども、......って、今の非常におやじギャグ度高い発言だと思われたと思うんだけど、ていうか、ギャグにすらもはやなってないんだけど、
男優２ ......でもね、まあそれは俺今、敢えて言った部分はあって、や、ほんとに、ていうのはだって実際、おっさんだから、て自覚してるから、かつしかしもっと自覚してかないとまだまだいけない面も多々あって、ていう意味を込めて敢えて自分から言っていかないと、ていうのもあって、......そうそう、......えー、じゃあ小川さんサイドからも少なからずまんざらでもなさは、あーそうなんだーゼロじゃないんだー、ていうことなんだ、ていうのが我々には、とにかく普通に衝撃だったんだけど、......えーだって水野氏もう普通におっさんじゃん、......イコールまあそれは僕らもだけど、......そうそう、......でも小川さん、八つ下とか言って、だって、え、八つ下って俺ら成人式のときまだ小学生でしょ、てことでしょ、わー、そういう考え方すると、それに対する今どういう最適な感想を持つべき感想って、ちょっと今、手持ちの中だけだとしっくりくるのが出て来ないよね、ていう、でも、あれだよ小川さん、今小川さんという特定の女の子についてどうこうってのとは無関係に、やっぱり一定以上に年下の女の子、つまり、あ、常識的な二三歳くらいかなー、の差ならまああるにしても、え、それ以上に、あ、そうなんだもっと下なんだー、ていう女の子と、え、水野氏今付き合ってるの？ ていう話一般についての、なんか特別に沸く、抱く、なんだろう、羨ましいじゃないけど、思いみたいのは正直あるわけじゃない、ていうかあるんだよねこれは、うん、
女優１ あ、はい、......「あ、はい」ていうか「あ、はい」て自分で言うなって感じしたかもしれないですけど、......でも別に、言われ方として、あ、はいはい、てことは当然知ってるし、知らないふりしても分かってるし、ていうのは事実だし、だから「あ、はい」て言って、そういう意味で、ほうが正直だと思って、てのは言い訳とかじゃなくて、......別に無難に「あ、はい」とか言わないでおくのも、ありなんですけど、単にそれってでも、なんだろう、知ったかの逆っていうか、「知らなったか」みたいな、分かんないですけど、ことなだけだと思うし、ていう、すごい超言い訳結局してますけど、
男優１ ......えっと、今川上くんが小川さんに言ったことについてなんですけど、僕もだいたいの部分でなら、今のには同意なんですけど、でも微妙に意見が違う点がひとつあって、ていうか、僕が小川さんに対してというか、小川さんに対してじゃなくて水野氏に対してなのか、思う気持ちはなにかというと、たとえばあれじゃないですか、彼女とかが、まあいると、いろいろなそうすると出てくる問題っていうのが、だんだんこういうトシになってくるとどうしてもある、ように思える一見、わけで、たとえば、......とこう例を口に出すのもなんか、出すと縁起悪い口に出すとほんとそうなっちゃいそうみたいな、ためらわれる部分があるわけですけど、......つまりいろんな絡みのことを言えば、だいたい彼女がタメ歳前後くらいだと仮定するじゃないですか、仮定というか、
男優１ ......過渡期っていうか、そういうね、あったりするわけですよね、でもそれは特に女のほうにあるだけ、てことじゃないかって気がしてて今俺は、男はね、......ていうか「特に女はね」って、今、「特に」って言い方したけど、それだとじゃあ男にも特にじゃなければそういう過渡期感はあるのかという話になっちゃうんだけど、特にじゃないレベルですら、男にはもともと、川上くんどう？ なくないそういうの？ ていうかなくていいじゃん別に、肉体的になんもリミット別にないんだもん、って思うんですよ、僕、
男優１ 川上くん、だから今、微妙に凹んでるかもしれないけど、凹まないで全然いいと思うんだよ、と思って、僕これ（煙草のカートンのこと）、実は川上くんへのプレゼントで誕生日の、さっき彼にあげたんですけど、......好きなだけもうバカスカ今日は一日でこの箱全部やっつけるくらいの勢いでいっちゃってよ、みたいな、
男優１ ......三十なんてラインとかでもなんでもないよ、本来全然そういうの、男がそういうのあるふうに見えるのは、まぼろし？ ある意味、赤道、ていうか俺、赤道ってほんとに赤い線が子供のとき引いてあるって思ってたんだけど、海の部分はプールのコースロープみたいのが、結構、中学生くらいまで、......そう、でも、三十ってラインも、ないない、そんな線は、実在しないから、......女はあんじゃない？ 知らねえけど、肉体的な、......それでそのとばっちりでしょ、女がそうだから男もそうなっちゃう、合わせちゃう、巻き込まれちゃう、合わさせられちゃう、ていうだけだから、いい悪いで言ったら百パー女がだから悪いんだよこれ、違う？
男優１ だから女のそういう点は、これまだ小川さん二十二歳の前では言っても許可されると思うから言うけど、一言で言うと、......まあ、うざいぞオラ！ ていうね、
男優１ ......これ本気ででも、そういう一つの基準としての三十、まで小川さんまだ八年ってのは、猶予として水野氏に対して、そこが一番加藤くん的には、アレな点で、
男優１ なんていうの、ある一定年齢ライン越えると俄然こっちに対する光線が、プレッシャーそういう状況に置かれてる女のビーム「うわっ！」ていうのが、これはもうひたすら、うざい！ ていうね、でも、小川さんまだビーム出せないでしょ、素晴らしい、出せないってことを、ほんと大切にしてほしい、だってそこだもん、水野氏が羨ましい俺がなにより点は、......つまり小川さん、若い！ 二十二歳！ てのはつまり八つ下ってのは、三十まであと八年も、ワールドカップを、ビーム出るようになるまで最悪二回楽しめちゃうって、夢のような水野氏は状況だよな、
男優１ ......てここまで言って、加藤くんつい興奮このときしちゃって、このあとうっかり、......ていうかでも水野氏だって、最近までもともと俺と立場的に同じライン上にいたんだけどさ、て言いそうになって、
男優１ ......水野氏、ほんとつい最近までなんですけど、結構長く五年くらい付き合ってた彼女が、ジャストタメで、普通にまあ、性格も悪くなかったよね、ていう、前野さんていう名前の、前野さんって、ある意味今となっては分かり易い名前なんですけど、いて、......にもかかわらずいきなり大幅なリニューアルを水野氏は敢行したわけなんでけど、どんだけリニューアルだよっていう話なんですけど、まあ、こんだけリニューアルだよっていう話なんですけど、ほんとうまいこと鮮やかな、水野氏リニューアル果たしたよなあ、......ていうことをだからこのときもしかしたら、小川さんにポロッちゃったら、小川さん的に、えっ、みたいになった可能性あったわけで、......でも咄嗟のたぶん判断でギリでこのときはセーフだったんじゃないかと、ちょっと楽観的に今も思ってるんですけど、
女優１ ......でも小川さんは、勘づいちゃってたんですけどね、雰囲気がそういう、もうあることには、......まあ、でも小川さんだって、水野さんに自分の前に彼女がいなかったと思ってたわけじゃまさかないでしょ？ てところもし突っつかれたら、あー、それはまあそうかもしれないですけど、ていう答えかたにはなるんですけど、
